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【ゴルフ親父の独り言】COSTCOとIKEAどっちが先?


COSTCO

今週早々、COSTCOがオークランドに進出するという記事が新聞に載っていました。市による審査が終了すれば竣工となり、遅くても2020年には新店舗開店となる見込みです。新店舗が予定されている場所は市内中心部から北西に車で30分程の新興住宅・産業推進地域です。Countdown、PAK’ n SAVE(いずれもスーパー)、Mitre10 Mega(ハードウエア)、Briscoe(日用品)等の大型店舗が集まるショッピングセンターの一画に加わることになります。これまでも広大な産業用地(空き地)にどんな店舗が建つのかいろいろ話題が尽きない地域でした。

建設予定の倉庫店は総工費N$9,000万ドル、店舗の広さ14,000平米、800台分の駐車スペースを設け約350名の新規雇用を生むと報道されています。オークランド市長や商工会議所会頭も歓迎のコメントを発していました。

COSTCOの概要をおさらいしてみましょう。(参考:Wikipedia) 創業は1976年、米国サンディエゴにあった飛行機の格納庫で「プライスクラブ」という店名で始まりました。1983年になりCOSTCOという店名の1号倉庫店がシアトルで開業され、現在、全世界で768店舗が営業しており、オーストラリアでも既に10店舗存在しています。法人・個人の会員登録顧客へ25~30%のディスカウント商品の販売という手法で発展してきました。年商U$1,384億、会員数9,540万人と大規模な展開を続けています。扱う商品は多岐に渡り、電化製品、ハードウエア、日用品をはじめ様々、従業員数239,000人と、Walmartに次ぐアメリカ型のマンモス小売販売店です。(ぬいぐるみのテディベアから棺まで売っていると言われています)。

IKEA

一方、数年前からこの地区への進出を計画していたのがスウェーデン発祥のIKEAでした。COSTCOとの勝負に負けてしまったのかと思いきや、IKEAも同時期に建設を予定しているという情報もあります。オークランド市内には既にIKEAの代理小売店は数店存在していますが、本格的な大型倉庫型店舗は未だニュージーランドでは展開していませんでした。IKEAはオークランドを皮切りに南島都市への進出も視野に入れている様です。

2大大型倉庫型店舗の進出という話題なので、公平にIKEAの概要もおさらいしておきましょう。(参考:Wikipedia)創業は1943年、創業者はイングヴァル・カンプラードという人物で17歳の時に開業した雑貨店から始まりました。現在、年商388億ユーロ、従業員数208,000人、世界50以上の都市に422店舗を展開する家具量販店です。無料会員登録制度もあり、高品質な商品販売と環境保護に重点をおいた営業を続けています。サイト販売にも力を入れており、サイト訪問者数25億人、ストア来店者数9億5,700万人。

店名のIKEAは創業者名と彼の出身地の頭文字を並べたもので、Ingvar Kamprad(創業者名)、Elmtaryd(創業者が育った農場の名称)、Agunnaryd(出身地の都市名Smaland, スモーランド地方のエルムフルト)からIKEAとなりました。英語圏ではアイキーアと発音されることが多く、おそらくニュージーランドでも「アイキーア」と呼ばれるのでしょう。創業時から自然環境保護を尊重する理念は変わらず、例えば、ニュージーランドの高品質ウールだけを買い付け、インドで製品化するという単純、且つ品質重視の姿勢から、今は亡き創業者の意思が現在も貫かれている企業と言えます。

これら2大店舗のビジネスコンセプトの違いや成功の鍵について整理してみましょう。

COSTCO 会員制(有料)による顧客の囲い込み、量販による低価格販売、品質管理、対象顧客は全年齢層、基本的に来店ビジネス店舗展開。

IKEA 環境保護、社会貢献、無駄を省いた低価格、高品質志向、ネットビジネスと来店ビジネスの融合、顧客層は若年層。

一見、異なるビジネス戦略に見えますが、購買層の違いはあれ、顧客の囲い込みという点でいずれの会社も成功しています。一方は、アメリカ型の数で勝負する会員制マンモス量販店、他方は北欧型の自然との調和を顧客と共有するぬくもりを感じる量販店、さて、ニュージーランド人はどちらのビジネスコンセプトを気に入るのでしょうか。いずれの会社も、進出に関する戦略上、新店舗開設には半径10キロの範囲に最低50万人が居住するという条件に基づいてビジネス判断を下しています。南北に広がりをみせるオークランドは既にその条件を満たしており、両者の進出は納得の範囲なのですが、特にニュージーランドはそれ程広くない国土のわりに完全な車社会であること、IT環境もそれなりに近代化されており新しいもの好きな国民性であること等について、両者はリサーチの段階から見抜いていたのではないかとも思えます。既存の地元企業・店舗はこれから競合という戦場に向かうことになりますが、果たして生き残り策を見いだすことが出来るのでしょうか。

2大量販店進出の検証から私達の旅行業におけるビジネス戦略のヒントは得られるのかどうかは難しい課題と言えますが、価格競争はどの業界でも普遍的なものですが、有効顧客数のリサーチや顧客の囲い込みが出来るかどうかがどうも鍵になる様な気がします。顧客の旅行会社離れが進む中、ネットビジネスが救世主なのかどうかの判断もつきません。顧客を囲い込む(顧客が離れたくないと考える)旅行とは何なのかを探ることが今後の生命線である様にも感じます。これら2大企業の進出から何を学ぶべきなのかあらためて考えてみたいものです。

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