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【ゴルフ親父の独り言】ホテルのデジタル契約書


ホテルとのビジネス契約は、ホールセール業者か、ツアーオペレーターかによって契約条件が異なる為、事前に各社が展開する市場や戦略について協議し、双方の利益最大化を共有した上で契約料金や条件を整えるという流れが長い間受け継がれてきた手法。オペレーターの特殊性(得意とする顧客市場や新規開拓市場など)を理解することにより、パートナーシップを基に戦略的な契約を結んできたものです。

これまで長期で提携してきたホテルがブランド名やオーナーシップを変更することで、契約内容が変更されることは多々あることで、時代の流れと納得するところなのですが、最近は契約内容の事前協議などに時間と手間をかけるホテルはなくなり、電子書面を一方的に送りつけきて「書名して返送しろ」が一般的です。発信元の署名や氏名がブランクの書面が当たり前で、どこにでも送れる雛形形式の書面が多く見られます。返送後、先方の署名入り契約書が送付されることもあまりありません。デジタルの時代だからと意味不明の説明に終始し、自らはプリントする手間を省き、顧客側にプリントを強制。請求書にしてもほとんどがデジタル書面で送付されることが多くなりプリント費用は顧客側のみが負担するのが当たり前となってきました。

加えて、事前協議の意義も消失し、「提示レートと条件をのまなければ契約しない」と完全な上目線。レートは最早交渉するものではなく、与えられるものでしかありません。需要と供給のバランスにより交渉過程や内容が変化することはこれまでもありましたが、現在は「生身の人間不在の世界」が当たり前です。さらに、契約条件を詳しく読み込むとかなり勝手な決まりごとが加えられていることもあり唖然とします。ホールセールレートはピークシーズン中は適用不可とか、時期により実勢レート(売り手の言い値)を適用する等、事前に見積もりや企画をするこちら側のリスク満載条件が強制されることになります。要は、取り引きは取り合えずしてやるのでホテルの言い分をのめということ。

強引な条件の中に、ニュージーランドにはどうしてもそぐわないのではと感じるものにポーターレージがあります。もともとホテルにしかポーターという職業は存在せず、空港や港には現在も存在していません。基本的に10名程度のグループに適用するものと当方勝手に解釈してはいるのですが、滞在中のポーターレージは宿泊費の他に1名あたり上げ下げ往復で8ドルも請求するホテルが出てきました。朝6時から夜8時の間の課金で、それ以外の時間帯は12ドルとのこと。自分で荷物を運ぶ場合も課金されるのはどうなのでしょうか。

その他、数え上げたらきりが無いほどの追加料金設定が含まれます。スポーツやコンサート等のイベント期間(開催日未定のイベントもあります)、春節期間、年末年始など、ホテル費用は2倍、3倍に跳ね上がるだけでなく3泊以上の連泊を強制されたりします。企画商品を展開する上で強権的な条件に沿う企画商品の展開や販促への限界を感じてしまいます。

最近はホテルの営業担当者との接点も無くなりデジタル書面の押し売りが一般的になりました。顧客の利便性追及の結果としてネット主流の世界になったのだから、質の保証より高額料金でも納得する顧客が一番大事であり、今更中間旅行会社の存在意義は微塵も感じていないと大口を叩いているのもホテルなのです。ホテル業界はいまや金融やIT業界同様、デジタル万能で人間不在の世界の仲間入りをしてしまった様ですね。ネット社会が直ちに衰退することは無いにしても、昨年末あたりから世界的に大きな変化が見られる様になっています。ニュージーランドにも確実に変化の波が押し寄せてきており、歓喜に踊らされたツーリズムバブルがついに終了したことに早く気付かないと大変なことになるのですがねえ。ホテル屋さん、さてこれからどうするのですか?顧客を探しても見つからない時代がすぐそこまで来ているのですよ。危機が現実となる時、仮面の営業担当者は生身の顔を見せてくれるのでしょうか?ツーリズム発展の礎を築いたのも旅行会社ですし、努力を怠らない旅行会社の歴史と存在価値を今一度思い返してみたらどうなのでしょうか。痛い目に遭う前に。

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